岡田 史哉

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現在、世界には数多くのプロポーカープレイヤーが存在します。オンラインプラットフォームの登場により、いつでもどこでもプレイし、それを記録することも可能になりました。また、カードカウンティングについて詳しく学び、本で学んだテクニックを実行してみることもできます。急上昇しているポーカー人気が高じて、プロのポーカープレイヤーを目指す人も増えています。

その中で、よくある質問の一つに、わずか３ヶ月でプロのポーカープレイヤーになることは可能？というものがあります。ほとんどの人にとっては、十分なスキルを身につけるには短すぎる期間に思えますが、この期間中にポーカー関連書籍を読みあさり、毎日複数回プレイを繰り返せば、目を見張るほどの進歩がみられるでしょう。また、カジノ店舗に実際に行ってみる必要もあります。実際のポーカーテーブルでプレイして初めて、ギャンブラーのプレイ中の態度を読み解き、持ち札が悪くてもポーカーフェイスを貫き通すスキルを学ぶことができるからです。

こうして考えると、たったの90日間では、プロのポーカープレイヤーになるのはほぼ不可能かもしれません。しかし、ある一定期間ずっと熱心に学び続ければ、飛躍的に上手くなることは可能でしょう。

現在、ポーカーで生計を立てているプロプレイヤーは多数存在します。こうしたプロプレイヤーの多くは、勝率を高めるために科学的な分析を行っており、まさにポーカーを徹底的に熟知しています。初期のプロの経歴を見てみると、数学や物理学の学位を持っている人が多いことに気づきます。というのも、ポーカーは科学的に分析することができるからです。勝負結果の裏付けとなる科学により、プレイに積極的になるべきか、慎重にすべきかが分かるのです。

ポーカーの勝負は科学的な問題？

神経科学者が、いわゆる「プロ」と一般プレイヤーのパフォーマンスを比較しようと試みた研究があります。この研究では、ポーカーゲームに科学的裏付けがあるという主張に反して、ゲームの勝敗には運が大きく影響していることが分かりました。

しかしながら、こうした研究には異論もあります。第一に、単純に運に影響されていると結論を出せるほど、ポーカーの規模が大きくないということです。

運で勝敗が決まってしまうゲームなら、なぜ物理学者がここまでポーカーを愛好するのでしょうか。カードゲームについて本を書いた数学者もいるほどです。例えば、ブラックジャックは、カードカウンティングのやり方さえ知っていれば勝てます。しかし残念ながら、このテクニックを実践しようとすると、カジノ側の勝率が下がり、商売が成り立たないという理由から、カジノから追放されてしまう場合もあるのです。

実際には、ポーカーは、”勝ち方”が存在するゲームですが、勝つのに必要なのは数学的スキルだけではなく、人間的なスキルも必要です。なぜなら、人の心を読まなければならないからです。手札の良し悪しにかかわらず、感情を表に出さないプレイヤーもいます。経験豊富なポーカープレイヤーと対戦して勝つためには、顔の表情以外のシグナルを読み取る必要があるのです。

数学は役には立つが、それが全てではない

たしかに、ポーカーでは、数学を駆使してプレイはしますが、それ以外にも様々な要素が存在しています。例えば、実際には悪い手札を持っているのに、冷静を装って良い手札だと他のプレイヤーに思わせることもできます。また、他のプレイヤーのボディランゲージから手札を推測できるかどうかは、経験がものを言います。これらは、数学とは異なるスキルですよね。

オンラインポーカーは練習になる？

現在、多くの人がオンラインポーカーをプレイしています。オンラインポーカーは、ゲームに対する理解を深め、数学を利用するスキルを磨くのに役立ちます。しかし、オンラインでは、他のプレイヤーの様子が見られないため、ボディランゲージの読解などの人間的スキルを向上させることはできません。

つまり、オンラインポーカーから学べることはいろいろあっても、ポーカーの上達に必要な全ての要素を磨けるわけではないということです。総合的にスキルを向上させるためには、実際に人と向き合って対戦する必要があります。実店舗型のカジノを訪れ、本物のお金を賭けたときの感覚を味わっておくのもよいでしょう。